101 企画(はじめに)

地区の皆さんで検討して避難の地区ルールなどを作っておきましょう。
  1. 避難は地区として取り組むことで確実なものにできます。市町の防災計画にも位置付けられる「地区防災計画」の素案にできれば最善です。
    難しそうなら、「個人の取組」を地区で学ぶことから始めるのもよいでしょう。
  2. 地域で防災取組を進めるための基本的な項目は以下のとおりです
    (1) 地区の課題認識:できれば住民へのアンケートを行い実態を把握しましょう。
    (2) 方針・目標設定:(1)に応じて設定します。何年かかけるのも一手です。
    (3) 取組地区の選定:
    ・取り組む地区の単位は日常的な地域活動についてまとまった地域を考慮して設定します。
    ・基本的には自治会、自主防災組織の単位が適当と考えられますが、地域の状況に応じて決めることが必要です。なお、取組地区の規模が大きいとWSの参加人数が多くなりすぎ、運営が大変になりますので、地区を分割する等、規模が大きくならない工夫が必要です。
    (4) 取組体制の構築(コアメンバー):
    ・自分の命と地域の未来を守るため、地区が自律的・主体的に進めることのできる体制をつくりましょう。
    体制の例:・(既存の)自主防災組織等を活用
    ・新たな組織(既存組織内の新設部会を含め)を立ち上げ
    ・WSを行う前に、地域の防災に関わる様々な分野のリーダーをコアメンバー(検討メンバー)として人選し、WSの進め方を企画します。自治会や自主防災組織のほか、避難行動要支援者に関わる民生委員・児童委員、学校関係、地域の各種団体、消防団や消防・警察関係機関等が参加することが必要です。
    ・MP+を進めるための研修を受けた方を登録しますので、それらの方から支援が受けられます(試用時点では未登録)。また、地区の上位組織の役員等の方が研修を受け所管地区等で進めることもできるようにすることも検討中です。
  3.  進行の工夫
    (1)学識経験者・災害経験者等の講演の開催
    ・会合に先立ち、コアメンバーの避難に関する意識を共有するため、学識経験者、市町・県の出前講座の類による講演や災害経験者の体験談等を企画してもよいでしょう。
    (2)会合の空間・時間
    ・お互いの顔を見ながら意見交換しやすいように机はロの字に配置しましょう。
    ・会議の時間は2時間程度に収まるようにしましょう。

201 まち歩き(歩く)

ふだん見慣れているまちを「防災の目」で見て、見たことを話し合いながら図にしましょう

地図を使って、参加者のグループごとに「まち」の構造を把握し、避難場所の候補と避難経路を話し合います。避難場所の候補までの経路をまち歩きで見て、危険な場所、役に立つ場所等を把握します。

  • まち歩き結果を防災マップにまとめ、気づいたことや課題を話し合い、記録します。
  • 防災マップに記入する項目
項  目 内  容
「まち」の構造の把握 道路、鉄道、河川・水路等
ハザードの把握 各種ハザードマップ
避難場所の選定 災害に応じた場所
危険な場所の抽出 避難時に危険な場所(転倒・落下・倒壊の危険性のあるブロック塀・看板・危険物等)
役に立つ場所の抽出 一時的に避難できる場所(空地・公園等)、消火活動機材のある場所(消火栓・消火器・防火水槽等)、災害時に役に立つ場所(病院・食堂・食料品店・公衆電話等)など
避難経路の選定 避難場所までの経路(時間・安全)、代替の経路

 

  • 消火栓に時間をとられがちですが、位置なら市町所管課で調べることもできます。
  • 作業の参考 作業中の発言にはよい情報がたくさん含まれています。できるだけ書き留めましょう。また、写真撮影をするなら場所・意図がわかるように留意しましょう。

301 知ること=知識と避難の考え方の枠組付与

基礎知識を知ったうえで、時々刻々と変わる情報を得て、避難できるようにしておきましょう

災害への対応を考える場合、過去の被災をふまえた制度などを知っておけばよりよく行動できます。

知ってそれを行動につなげるには次の3つの段階があります。

第一段階  基礎的な知識を知ったうえで ;302,303,304
第二段階  時々刻々と変わる情報を得て :306
第三段階  準備し考えておいた避難実行 :305,307,308

Myまっぷラン+では、これらを知ったうえで、平時に個人が避難経路(「My経路」という)と行動を始めるタイミング(「Myタイムライン」という。合わせて「My計画」ともいう)の作成をして災害時に円滑に行動できるようにします。

302 ハザードマップの読み方

まち歩きで用いたマップの知識
・洪水浸水想定区域
・土砂災害(特別)警戒区域<もっと詳しく知りたい人向け>
・家屋倒壊等氾濫想定区域
・ハザードマップの想定・想定外
・過去の被災例:みえ防災・減災アーカイブ

303 気象情報の読み方

・気候変動
・警報や注意報などの防災気象情報<もっと詳しく知りたい人向け>
・危険度分布、氾濫危険情報
土砂災害危険情報 他


*1p27 ・28


*2p4

304 警戒レベルの読み方

・市町が行動を促す情報を発表

(※「避難勧告」はなくなります)

・市町からの発表がなくても危険を感じたら自らの判断で早めに避難しましょう


*1p32

*2p3

305 準備 行動その1

・住まいの点検を行おう

・日頃から非常用持ち出し品などの

準備をしよう(コロナ対策品も追加)

 


*1p31

*1p13

306 情報収集 行動その2

・防災みえ.jp>緊急時お役立ち情報

・前兆現象
(見つけるための外出は一考です)

・安否情報の確認


*1p41・36・32


*140

307 避難行動判定フロー 行動その3

・避難とは「難」を「避」けること

・自宅の場所・建物の構造・避難先(避難場所・指定避難所)から事前に判定し、また、避難の行動とタイミングを考えよう(310へ)

・My避難経路

・Myタイムライン


*2p1

308避難(移動)のポイント ・ 動けなかったとき

・洪水からの避難(移動)のポイント

あきらめずにできることを少しでも

・近所の頑丈な建物へ退避(承諾を得て)

・家の中なら崖の反対側、1階よりは2階(垂直避難)


*1p33

401 課題の抽出と解決策の検討

避難で心配なことやどうすればよいかを話し合います

○個人計画の集約と課題の抽出 : 非参加者も含めた個人の避難経路を事前に集約した図と参加者のMyタイムライン(WSの中で各自紹介)を題材に、参加者で意見交換します。自分とは異なる考え方がわかり、参考になります。

○避難の際の行動等の話し合い : 個人の計画を作れば全ての課題が解決するわけでなく、地区での避難の課題として例えば避難行動要支援者の避難や自動車による避難等については、地域でどのような方法で対応していくのか、話し合い、意見を引き出します。

作業  地域で共有することを話し合う
●これまでに実施したコアメンバー会議、前回の検討会において、課題として出された事項について、課題の内容、解決方法を話し合います。
●出された意見は、付箋に書いて、模造紙に貼りつけます。出された意見全てを書くようにしましょう。
●答えが出なくても、課題として残しましょう。以下事例。
①避難行動要支援者の避難はどうするか ・誰がどういう方法で避難を支援するのか         ・昼間は人がいない
②自動車による避難は、どうするか ・徒歩が原則となっているが、自動車は認めるのか? ・どのような場合に認めるのか

501 訓練内容の企画

話し合ったことを試せるような訓練を考えます(既存の訓練メニューにうまく追加)

・Myマップラン+に基づき避難訓練を行うことによって、ワークショップで話し合ったことを検証し、新たな課題を抽出します。

次回の津波避難訓練で行うことを話し合いましょう
避難訓練のときに実施したいこと、
アイデア等を話し合ってください。
 例えば、
 ・避難場所までの所要時間の測定
 ・非常時の持ち出し品のチェック 等
  • 多くの自主防災組織で訓練は実施しているため、既存の内容とうまく調整しましょう。
  • 訓練は滞りなく実施することより、滞るかどうか(どこでか)を検証するためのものです。

601 訓練実施

できる範囲で多くの方が参加して、さあスタート
○避難訓練の実施時期

  • 最初は多くの人が参加しやすい時期(休日の午前中等)に行うことが望ましいですが、季節や時間によって非常持ち出し品や服装等、準備するものが異なることから、季節や時間(朝、昼間、夜間等)を変えた避難訓練を継続的に実施することも必要です。

〇避難訓練の事前にアンケート調査票を配布しておき(避難訓練の告知チラシと合わせて配布等)して、結果の検証に活用します。

 

701 結果の検証

できたこと/できなかったことを確認して「次」を考えます

○避難訓練の後のワークショップ
・避難訓練は、終了後に自由解散となることが多いですが、これでは避難訓練を実施した効果や課題を検証できません。避難訓練を実施した後にワークショップで課題等を話し合えば、非常に効果があります。
・ワークショップでは、避難時間の目標を達成したかどうか、避難訓練でできたこと・できなかったこと等、My計画の実行性の検証や地域における課題を浮かび上がらせることが必要です。
・事前に配布したアンケート調査票を活用し、避難訓練実施後のワークショップで、避難目標時間の達成状況、防災マップに記載した内容の検証、避難訓練でできたこと・できなかったこと等について、記入してもらいます。

○課題に対する取組の方向性の検討
・防災マップに落とし込んだ内容や、第3回で課題に挙がった事項を、今後どのようにして取り組んでいくのか話し合います。
・地域における避難の目標と今後検討していく内容等を整理し、地域の避難計画のもとになる内容を整理します。

本日の津波避難訓練の成果、課題をみなさんで話し合いましょう。

話し合ったことを試せるような訓練を考えます(既存の訓練メニューにうまく追加)
できる範囲で多くの方が参加して、さあスタート
できたこと/できなかったことを確認して「次」を考えます
①津波避難訓練の振り返り本日の津波避難訓練をふりかえって、 ・避難時間はどれくらいかかりましたか。 ・目標通りでしたか
津波避難訓練でできたこと、できなかったことはありますか。
⇒付箋に書いて、模造紙に貼り付け

②避難場所、避難経路の再確認
図面の内容以外に、追加したいことがありますか(危険個所、改善したほうがよいこと、提案など)
⇒付箋に書いて、大きな図面に貼り付け